的中孔チェックってなに? 付け方間違ってません?!=>決定版
ルールブックには跳ね返り矢や貫通矢などの点数判定には的中孔が得点判断の基準になる事は誰もが知っているはずです。特にTargetの試合では4人の同的選手が最後までその的をうつので先ず付けているでしょう。
ところがこれがFieldの試合となると様子がおかしくなります。全日本クラスの試合ではまず不届きな選手はいないのですが、まさか唯一の例外である、的中孔が特定できなくても同じグループの全員が貫通跳ね返り矢の得点に同意した場合はその点数とするという条項を盾にとって的中孔チェックをしないのではないでしょうね?
FIELD試合の特徴として、一度うったポストは2度とうたないということがあります。従って的中孔をチェックしなくてもそのグループには何の不都合も起こらないのです。ある友達は、アーチェリーをやっているのは自己中心の奴ばかりだと言うのですが、僕はそうは思いません。そうでない立派な選手を沢山知っています。
的中孔チェックを行ってくださいと試合前の審判の注意で言われる事自体が恥ずかしい事ですが、言っても一向に悪癖は直りませんね。始めの内は前の組の的中孔もマークしていくのですが、そのうち的中孔マークのない穴だらけ。時々大声で「的中孔チェックしてくれよ〜」と大声で叫びますが空しいです。

さて今度は付いている的中孔チェックの印ですが。無意味な標的面の汚れとしか言えない物が多いです。書類とか伝票を確認しながらつける「 レ 」点ではないんです。酷いのは孔からかなりはなれたところを一本線ではねただけのも有ります。
孔に直角な2本の線で、長さも夫々が5mm以下とFITAのジャッジガイドに書かれています。

左の写真は40cm的です。中心部に有る、試合で実際に付けられた的中孔はチョロチョロしてなんだか良くわかりません。
12時方向5点のチェックはちょっと頂けませんね。10時方向の6点の3個の孔は今見本に私が付けた物。
FITAのジャッジガイドによれば、右のチェックが正式です。長さも5mm以下ということです。真ん中の十字はこれが正式と思っていましたがGugeには、
Teach the archers to mark holes with short lines,not longer than
5millimeters.Two lines in a right angle are certainly enough. とあります。

どんな的中孔チェックが良いかというと、実際に矢が中った孔が前に付いたチェックの線でどんな影響を受かるか考えればわかると思います。

色んな説が交錯しましたが、アテネオリンピックで審判をした友人の下記アドバイスで最終版です。

「アテネオリンピックマニアルではアローホールに対し、12時と3時のそれぞれの方向へ1本ずつの線でチェックを入れる事になっていた。実際の競技中では、ほぼ100%選手やエージェントが矢抜きの前にチェックを入れていたそうです。その際チェックをしようとするアローの周りのほかのアローが邪魔なので、とにかく可能な方向90度以内の範囲でシャフトからチョンチョンと2本のチェックを入れていた。ボールペンではなくマジックペンを使用させていた。」
とのことで、付けていたらいいというおざなりなチェックではないと感じました。なんせメダルがかかってますから。

ちなみに、下の右の写真は、1969年世界大会の最終日30mでRobinの使用した的です。中心部に茶色い物が張り付いていますが、矢取りした際的中孔全てにセロハンテープを貼り付けたものです。何年か経ってこのやり方は取りやめになったようですが、面倒だが確実な方法ではありました。止めたのはテープで的面が光るからとか言う話も聞きましたが、真偽の程は知りません。この世界大会時のRobinの30mは337−332=669で1位の670点次ぐ4位で、日本記録でした・・・・自慢ぽくてすみません。かなり風があったのですが、青にある的中孔がよその国の選手のものである事を一言言いたかったもので。

的中孔チェックは「何のため、誰のため?」を考えてお願いします!   2004年9月19日記->30日修正